赤い羽根、針からシールへ。

赤い羽根といえば、「針」だろうか「シール」だろうか。

針付き赤い羽根に馴染みがある人は多いだろう。しかし、街頭で配られる羽は今やシール付き赤い羽根が主流である。

なぜ「シール」になったかはあまり名言されていない。「針」は怪我のもとになるから、処分に困るからという話を聞くが、おおよそ前者が直接的な原因だろう。というのも、1981年10月、佐賀県武雄市のとある小学校で児童が羽根を飛ばして遊んでいたところ、羽根を受け損なって目に刺さったという事故が起こっている。みどりの羽根ではあったが、1980年4月にも同様の事故が新潟県加茂市で起こっている。当時の児童の間で、針先に消しゴムを指したり、針先をセロハンテープで巻いたりして重しを付けて羽根を飛ばす遊びが流行ったのだという。 *1 後者の事故は損害賠償請求にも発展しており、中央共同募金会 *2は対応を検討していたようであるが、先に事故が起こってしまった形だ。 そして、1982年、シール付き赤い羽根が開発され、世に送り出されている。 *3

もし、自分の町で「針」が配られていたら、その町では赤い羽根の貰い手が少なくて「針」の在庫がまだ残っているのかもしれない。

*1:1981年10月21日付けの朝日新聞、読売新聞に記事が掲載されており、読売新聞の記事が詳しい。

*2:都道府県に設置されている共同募金会の連絡調整を行う団体

*3:cf: 中央共同募金会「『みんな一緒に生きていく』共同募金運働50年史」(1997)